無題

きっと多分其の目とあの目に映る景色はゆるやかではないスピードで変わっている事だろう。

 

一方私の目に映る景色は一点の色が濃くなって行くばかりで、其れ以外は何も変わらない。

変わっているかもしれないのに変わって見えない。

ただただ一点の色が濃くなっていくばかりだった。

寧ろその一点を見つめるばかりで周りの景色が霞んで見えた。

 

耳を塞いで一つの音を聴いている。

他は何も聴こえなくなっていく。

 

其の一点は赤青緑黄色紫と瞬間瞬間色を変えていく。

始めはパステルだったのに知らぬ間に眩しい位の原色になっていった。

 

気が付いた時には其の目に映る景色は一点を残して変わっていった様だ。

其の一点はずっと同じ色の侭、硬い色をしていた。

時々薄くなる様だった。柔らかくはならなかった。

でも其の目に映る一点はずっと其処で動かなかった。

 

あの目に映る景色に一点は無かった。

とうに消えた様だった。

 

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